DTP豆知識

DTP豆知識

BITS OF KNOWLEDGE

DTPに関する様々な豆知識をご紹介いたします。

DTPに関する様々な豆知識を
ご紹介いたします。

【第1回 YMCKカラーって何?】

【第1回
YMCKカラーって何?】

シアン(Cyan)・マゼンタ(Magenta)
黄(Yellow)・黒(Black)の4色で、カラー印刷におけるインクの基本色のこと。
シアン、マゼンタ、黄の3色の比率を変えて重ねて印刷することで、すべての色を再現できる。
 
3色を同じ比率で重ね合わせれば黒になるが、実際に3色重ね合せで黒を印刷しても純黒に仕上がらないので、3原色+黒(スミ)の4色で印刷する。CMYKなどとも言う。
 
通常パソコン上で作業する際には光の三原色であるRGBカラー(レッド・グリーン・ブルー)を使うことがあるが、RGBカラーのまま印刷してしまうと色相のずれが起こる場合がある。
印刷を考えて作業をする場合はYMCKにした方が印刷した時の色相のずれが起こりにくい。

【第2回 ルビって何?】

わかりにくい文字や子供向けの印刷物につけるふりがなのこと。
全ての文字にルビをふることを総ルビ、難しい漢字にふりがなをつけることをパラルビという。
 
また「 五月雨(さみだれ) 」のように文字を特定できない場合に使うルビを均等ルビ(グループルビ)とも言う。
 
ルビの名前は宝石のルビーから由来している。
活版印刷の時代、英国では活字をその大きさごとに宝石の名前をつけて呼んでおり、ルビーは5.5ポイント活字の呼び名だった。
そして、当時ふりがなに使われていた5.25ポイント活字に最も近いおおきさなのでふりがな自体をルビと呼ぶようになった。 

【第3回 余白って何?】

印刷物の版面の周囲にある余白の部分「マージン」を単に「余白」ともいう。書籍や雑誌の場合は、その位置によって、天、地、のど、小口などと呼び分ける。

[ のどアキ ]

ページの左右の余白のうち、綴じる側(のど)の余白のこと。DTPソフトで見開きドキュメントを作成するときの、内側のマージン(余白)がこれにあたる。製本様式や綴じ方、紙の厚さなどにより、必要とされるマージンが変わってくる。たとえば平綴じ(針金綴じ)の場合、ページの綴じている側(のど)が完全に開かないので、マージンを少し多めにする必要がある。

【第4回 解像度って何?】

「解像度」とは画像の精密さのことで1インチに何ドットあるかを示している。
単位には「dpi」が一般的に用いられる。
 
一般的に人間の目には300dpi以下の画像だと粗さを感じるので、最低の解像度を300dpiと考えた方がいい。 

[ dpi ]

dpiとは「Dot Per Inch」の略で、1インチの中にいくつドット(点)が入っているかという事で、これで画像の質が決まる。
Adobe Photoshopなどの画像処理ソフトで解像度が低いものを数値上だけ高くしたり、拡大・縮小する事ができるが、入力した時よりも画像自体のもつ情報は増えない。そのため結果的に画像自体はきれいでなく、ぼやっとしたものになってしまう。 

【第5回 オフセット印刷って何?】

【第5回
オフセット印刷って何?】

平版印刷方式の一つで、単に「平版」とも呼ばれる。
製版で作成されたフィルムをPS版と呼ばれる版に焼き付け(下図のような4枚の版が作られる)、インキが油性であることを利用して印刷する方法。

[off-set]

版に付いたインキを一旦ブランケットに転写し(off)、更にブランケットから紙に転写する(set)することからオフセット印刷と呼ばれる4色印刷の場合は、通常、墨B・藍C・紅M・黄Yの順に印刷される。

【第6回 紙の種類いろいろ】

紙の表面に塗料を塗布することで、白色度や平滑性、インクの受理性、あるいは網点の再現性、印刷光沢、印刷不透明度などを高めたものが塗工紙です。
これによって、印刷物に、より質感や高級感を与えることができる。

[塗料紙]

塗工紙は、塗料の塗布量と、ベースになる紙の種類によって分類される。
光沢を出した紙(グロス系)は白紙光沢、印刷光沢とも高く、写真中心とした印刷に適している。
光沢を抑えた紙(ダル・マット系)は文字中心の印刷に適している。ダル系の紙は白紙光沢のみを抑え、マット系の紙は白紙、印刷の両光沢を抑えたしっとりとした風合いになる。

【第7回 紙のサイズいろいろ】

【第7回
紙のサイズいろいろ】

A列はドイツ工業規格を採用しています。B列は美濃紙に由来する純国産サイズです。書道でよく使用される紙を半紙といいますが、この美濃判の半分であることから、半紙といいます。美濃紙は徳川御三家しか使用が許されなかった時代もある古くからの規格です。

[ 用紙サイズ ]

判型 寸法(mm) 判型 寸法()mm
A0 841×1189 B0 1030×1456
A1 594×841 B1 728×1030
A2 420×594 B2 515×728
A3 297×420 B3 364×515
A4 210×297 B4 257×364
A5 148×210 B5 182×257
A6 105×148 B6 128×182
A7 74×105 B7 91×128
A8 52×74 B8 64×91
A9 37×52 B9 45×64
A10 26×37 B10 32×45
判型 寸法(mm) 判型 寸法()mm
A0 841×1189 B0 1030×1456
A1 594×841 B1 728×1030
A2 420×594 B2 515×728
A3 297×420 B3 364×515
A4 210×297 B4 257×364
A5 148×210 B5 182×257
A6 105×148 B6 128×182
A7 74×105 B7 91×128
A8 52×74 B8 64×91
A9 37×52 B9 45×64
A10 26×37 B10 32×45
判型 寸法(mm) 判型 寸法()mm
A0 841×1189 B0 1030×1456
A1 594×841 B1 728×1030
A2 420×594 B2 515×728
A3 297×420 B3 364×515
A4 210×297 B4 257×364
A5 148×210 B5 182×257
A6 105×148 B6 128×182
A7 74×105 B7 91×128
A8 52×74 B8 64×91
A9 37×52 B9 45×64
A10 26×37 B10 32×45

【第8回 フォントの違い】

フォントには、幅が同じ「等幅フォント」と、幅が違う「プロポーショナルフォント」とがあり、 「MS Pゴシック」の「P」はプロポーショナルの「P」です。

[ 等幅とPフォントの違い ]

等幅フォントはどの文字も同じ幅を取るので単語のとる幅は文字数に比例しますが、もう一方のプロポーショナルフォントは文字によって文字幅が違うので文字数の少ない方が文字幅をとることもあります。
 
日本語の場合、文字幅は基本的にどれも同じであり、どこで改行されても意味が通じるため、等幅フォントが一般的です。
もう一方の欧文フォントの場合、例えば「I」と「W」が同じ幅になってしまうと読みにくく、また文字数で改行してしまうと単語が分割され意味が通じなくなってしまうため、プロポーショナルフォントが一般的です。
同じフォントで等幅フォントとプロポーショナルフォントがあるのは、日本語フォントになります。
 
英数字を多く用いたり、DTPなどで見栄えを良くするときにプロポーショナルフォントが活きてきます。

【第9回 印刷方法いろいろ】

印刷を行う際にはいろいろな印刷方法があり、主に以下のような印刷方法がある。
 
印刷物によって最適な印刷方法を選ぶことにより、より質の高い印刷ができるようになる。

[印刷方法一覧 ]

名称 説明
凸版印刷 版の凸部にインクを付けて印刷する方法。鮮明で力強い印刷が出来る。
凹版印刷 版の凹部にインクを入れて印刷する方法。インクに光沢があり、色に深みがでる。合成樹脂フィルムや建材にも印刷可能。
オフセット
印刷
凹凸のない版からインクを一旦ゴムのブランケットに転写し、そこから紙に刷る方法。
修正、加工がし易い。
スクリーン
印刷
シルクスクリーン印刷とは、孔版印刷の一種で版に絹(現在は、テトロン、ナイロン等の化学繊維)のスクリーンを利用する印刷方法。
フレキソ
印刷
ゴムや樹脂などの柔らかい材質の版に液状インキをのせて印刷する凸版印刷方式。
表面平滑度のラフな粗面から平滑の良いコート紙まで印刷できる。
名称 説明
凸版印刷 版の凸部にインクを付けて印刷する方法。鮮明で力強い印刷が出来る。
凹版印刷 版の凹部にインクを入れて印刷する方法。インクに光沢があり、色に深みがでる。合成樹脂フィルムや建材にも印刷可能。
オフセット
印刷
凹凸のない版からインクを一旦ゴムのブランケットに転写し、そこから紙に刷る方法。
修正、加工がし易い。
スクリーン
印刷
シルクスクリーン印刷とは、孔版印刷の一種で版に絹(現在は、テトロン、ナイロン等の化学繊維)のスクリーンを利用する印刷方法。
フレキソ
印刷
ゴムや樹脂などの柔らかい材質の版に液状インキをのせて印刷する凸版印刷方式。
表面平滑度のラフな粗面から平滑の良いコート紙まで印刷できる。
名称 説明
凸版印刷 版の凸部にインクを付けて印刷する方法。鮮明で力強い印刷が出来る。
凹版印刷 版の凹部にインクを入れて印刷する方法。インクに光沢があり、色に深みがでる。合成樹脂フィルムや建材にも印刷可能。
オフセット
印刷
凹凸のない版からインクを一旦ゴムのブランケットに転写し、そこから紙に刷る方法。
修正、加工がし易い。
スクリーン
印刷
シルクスクリーン印刷とは、孔版印刷の一種で版に絹(現在は、テトロン、ナイロン等の化学繊維)のスクリーンを利用する印刷方法。
フレキソ
印刷
ゴムや樹脂などの柔らかい材質の版に液状インキをのせて印刷する凸版印刷方式。
表面平滑度のラフな粗面から平滑の良いコート紙まで印刷できる。

【第10回 DTPって何?】

印刷業界ではよくDTPという言葉を良く聞くがそもそもDTPとはどういう意味なのか?

DTPは、DeskTop Publishing(デスクトップ・パブリシング)の略で日本語訳すると
「卓上編集」。

DTPはDeskTopPublishing
(デスクトップ・パブリシング)の略で日本語訳すると
「卓上編集」。

最近、WindowsパソコンやMACで新聞・冊子・チラシなどの印刷物や ポスター・ステッカー等の配布物・掲示物を手軽に作成できるよう になりました。 DTP分野のソフトを使ってデータを作成することの総称のように使われていると思います。 DTP分野のソフトで有名なのは、アドビ社製品の ・ページメーカー、編集ソフト・イラストレータ、描画ソフト・フォトショップ、写真レタッチソフト 等です。 他にも・印刷・出版業界向けにハイレベルなソフトや・企業向けのマイクロソフト社のパブリッシャー 等もあります。

【第11回 ベジェ曲線って何?】

【第11回
ベジェ曲線って何?】

イラストレータやフォトショップなどでおなじみの、ベジェ曲線。曲線の作成や修正が簡単に出来てしまう便利な手法です。曲線の端点となるアンカーポイントを作成し、曲線の湾曲部分を決めるハンドルによって形が決められます。

ベジェ曲線は、1972年にフランスの自動車会社「ルノー」の技術者であるピエール・E・ベジェ氏によって開発されました。ベジェ曲線が使われたのは、自動車のデザインが最初だったようです。そしてもちろんベジェ曲線の名前は、開発者であるピエール・ベジェ氏から由来されているものです。
 
ちなみに本来は「ベジェ」ではなく、「ベジエ」と表記するのが正しいよう
です。

【第12回 カラー印刷の起源】

【第12回
カラー印刷の起源】

カラー印刷は今から230年前、日本の「錦絵」が世界に先駆けて始まったといわれています 。「錦絵」は浮世絵の手法の名称で、のちに浮世絵=錦絵ともいわれるようになります。

[浮世絵について]

浮世絵の「浮き世」とは「現実」という意味で、16世紀後半に京都の庶民生活を描いたのが始まりです。のちに木版画の技術の向上、役者や美しい女性が題材として描かれるようになったことなどで、浮世絵が大衆文化として人々に広まりました。

【第13回 再生紙とは】

再生紙とはマスコミが造語したもので実は明確な定義が決まっていません。
古紙を使用している紙を指すのですが、古紙の配合率が10%でも100%でも同じ再生紙というには問題があります。そこで最近ではエコマークで決められている基準を再生紙の目安としています。

[再生紙の今昔]

古くは奈良時代から「漉き返し紙(宿紙)」として存在しました。
当時の紙は貴重品。はじめは宗教的な意味も込めて故人からもらった手紙などもすいて再利用していました。
平安時代には紙屋院という官庁までつくられています。
江戸時代には現代のちりがみ交換のはしり、反故紙、古紙を回収する紙屑屋がありました。
資源として使用されていた古紙ですが、近年はごみの量を減らす、環境に配慮するといったことが求められています。
 

【第14回 エコマークとは】

財団法人日本環境協会が認定した環境を汚染せず、環境改善に役立つ商品についています。
環境(Environment)のeと地球(Earth)のeが人の手となって、地球をやさしく包み込むというデザインで「私たちの手で地球を守ろう」という気持ちを表現しています。
紙に関連する部分では以下の内容が認定の基準になっています。

[主な紙関連の認定基準]

  古紙配合率 白色度 塗工量
印刷用紙
(非塗工紙)
50%以上 70%以下  
印刷用紙
(塗工紙)
50%以上   30g/㎡以下
情報用紙 70%以上 70%以下 12g/㎡以下
封筒 40%以上    
ダンボールなど 100%以上    
  古紙
配合率
白色度 塗工量
印刷用紙
(非塗工紙)
50%
以上
70%
以下
 
印刷用紙
(塗工紙)
50%
以上
  30g/㎡
以下
情報
用紙
70%
以上
70%
以下
12g/㎡
以下
封筒 40%
以上
   
ダンボール
など
100%
以上
   
  古紙
配合率
白色度 塗工
印刷
用紙

(非塗
工紙)
50%
以上
70%
以下
 
印刷
用紙

(塗工紙)
50%
以上
  30g/㎡
以下
情報
用紙
70%
以上
70%
以下
12g/㎡
以下
封筒 40%
以上
   
ダン
ボール
など
100%
以上
   

・古紙配合率
古紙がどのくらい配合されているかの率

・古紙配合率
古紙がどのくらい
配合されているかの率

・白色度
どのくらい表面が白いか

・塗工量
どのくらい薬品がコーテイングで
使用されているか
エコマークは商品、使用年ごとに
使用料がかかります。

・塗工量
どのくらい薬品がコーテイングで使用されているか
エコマークは商品、使用年ごとに使用料がかかります。

【第15回 黄金比とは】

黄金比とは、ある線分をほぼ1:1.618の比率に分割した比のことをいいます。
この比率は最も調和のとれた比率とされていて、身近なものでは名刺の縦横の辺の比が黄金比になっています。
 
起源はとても古く、エジプトの古王国時代かさらに古い時代だといわれています。
しかし、「黄金」という名前自体はもともと付いていたわけではなく、この比率が学問的に重視されるようになってから後、19世紀になってつけられたそうです。
建築やデザイン、絵画で使われることが多いようですが、ギリシャのパルテノン神殿や、ミロのヴィーナス、日本では葛飾北斎の富嶽三十六景など誰もが知っているような作品にも黄金比は使われていて、作者の「理想的な美しさ」へのこだわりが感じられます。

【第16回 保存に向かない酸性紙?】

【第16回
保存に向かない酸性紙?】

紙には大きく分けて酸性と中性のものがあり、洋紙は19世紀後半から長い間、酸性紙が製造されていました。
 
なぜ酸性になるのかというと、これは、欧米では先の尖ったペン先で筆記をするために、紙に「にじみ止め」の加工をする必要があったからです。
インクのにじみ止め(サイズ剤といいます)には松ヤニ(ロジン)が使われ、これを紙に定着させるのに硫酸アルミニウムを使用します。この硫酸アルミニウムは水分と反応して酸性になる性質をもっているので、酸性紙になるのです。
 
ところが、酸性紙は紙の繊維が傷むのがとても早く、100年も経たないうちに変色し、ボロボロになってしまうことが確認されました。
そこで、この問題に対応して開発されたのが、中性やアルカリ性のにじみ止めを使用した中性紙になります。中性紙は長期保存に優れていて、また特に保存を必要とする記録用紙は弱アルカリ性で、大気中の酸を中和します。
 
日本では、1980年代に酸性紙の問題が取り上げられてから中性紙の開発が進んで、書籍など多くの出版物で中性紙がつかわれるようになりました。

【第17回 ピクトグラムって?】

【第17回
ピクトグラムって?】

簡単な絵記号で各施設・設備の使用目的や、目的地までの順路を表したサインのことをピクトグラム(pictogram)といいます。
 
現在、ピクトグラムは街中いたるところで見かけて当たり前になっていますが、日本でピクトグラムが使われるようになったきっかけは1964年の東京オリンピックです。このときにピクトグラムの有用性が認められ、その後の国際的なイベントには欠かせないものになっていきました。
 
文字を使わずに、言語や教育程度、年代が異なるたくさんの人に理解できる サイン、これはユニバーサルデザインにもつながります。しかし、施設ごとにまちまちなピクトグラムが使われていたり、デザイン性が優先されてしまったりと、かえって混乱してしまい役割を果たせていないものもあるようで、2002年3月には104項目の案内用図記号がJIS(日本工業規格)化されるなど、公的な施設を中心に統一化が進んでいきそうです。

【第18回 製本いろいろ】

本にもいろんな種類があって、冊子のような薄い物からハードカバーの厚い物まで様々です。そしてその種類によって製作工程や製本の行程が違ってきます。
ここでは簡単に製本の種類を紹介したいと思います。

[上製本とは…]

ハードカバーや本製本とも呼ばれる物で、表紙の部分と中身の本文を別々に作るもので、表紙は本文よりも一回り大きい仕上がりになります。この上製本のなかでも背表紙の部分が丸く仕上げてある「丸背」と背表紙が平になっている「角背」の2種類に分けられます。上製本は仕上がりがとてもしっかりしていて高級感があり、丈夫ですが、費用も時間もかかってしまいます。

[並製本とは…]

一般的によく用いられる製本の方法で、表紙と本文を同じ大きさに仕上げます。
上製本がハードカバーと呼ばれることに対して、並製本はソフトカバーと呼ばれることがあります。他にもこの並製本に分類される物はいろいろあります。

【第19回 切手は高級印刷】

普段は気にしないで使っているけれど、切手も印刷物です。そこで、今回は切手印刷豆知識です。  
切手=郵便物の送料なので、切手にはお金と同じような価値があります。そうすると簡単に偽造されてはいけないので、印刷も通常と同じCMYKで、というわけにはいきません。
 
切手の印刷によく使われるのは「グラビア印刷」で、印刷の線数は250~500線になります。(オフセット印刷は通常175線になります)また、線数は各インクの色によっても変更します。そして、インクの色もCMYKに関係なく全部が特色になります。
 これだけでも通常の印刷とはずいぶん違って、そうそう簡単には真似できそうもないですが、さらに版づくりに、現在も手彫りの版を使うことがあるそうです。

【第20回 引札から始まったチラシ】

【第20回
引札から始まったチラシ】

現在、宣伝メディアのひとつとして大量に印刷されているチラシは、江戸時代に登場した「引札」が始まりだといわれています。
初めて引札を配ったのは呉服商の三井越後屋(現在の三越)で、1683年の開店に際して配布されました。
「現金、安値、掛値無し」という内容のキャッチフレーズで配布したことで、売り上げに大変効果があったそうです。
ちなみに引き札のキャッチフレーズは平賀源内や滝沢馬琴などの文化人がつけることもありました。
 
この後、1870年(明治3年)には日本で初めての日刊新聞となる「横浜毎日新聞」が発行されて、1872年に創刊した「東京日日新聞」で引札が新聞と共に配布されるようになりました。
 
これが折り込み広告となり、大正期に入ると新聞の発行部数の増加に伴って現在のように「チラシ」や「チラシ引札」と呼ばれるようになったのです。

【第21回 紙の起源は?】

DTP関係だけでなく、仕事をする上で欠かせないものの一つに紙があります。特に印刷物は紙によってずいぶん違う雰囲気に仕上がるため、かなり重要な要素ではないでしょうか。
 
現在の製紙法に近い形が確立したのは、紀元前2世紀頃。中国の蔡倫(さいりん)によって発明されました。これよりももっと以前に、紙の起源といわれている「パピルス」という、植物の茎を縦横に織りあげたものがエジプトで作られていましたが、現在のような紙と呼べるような物ではなかったようです。
 
皆さんもよくご存じの通り、紙は木材から出来ています。木材からパルプを作る製法が出来上がる前までは、麻や木綿を原料にして紙を作っていました。
現代の製法が確立したのは、19世紀後半、実はここ100年の話だそうです。

【第22回 サムネールとは?】

アプリケーションソフトなどによく出てくるサムネール。その本来の意味をご存じですか?
 
サムネールは画像データやページなどを、小さいサイズで一覧表示する機能のことです。画像編集ソフトの多くがサムネール作成機能を持っていて、読み込む画像を選択するときになどに表示されます。画像ファイルが増えてくると名前だけでは判別しづらいので、サムネールは便利な機能です。
 
本来はthumb nail「親指の爪」という意味で、小さいアイデアスケッチを指す言葉なのです。